レイアウト上での Web ビューアの使用

FileMaker Pro のレイアウトに Web ページを直接表示するには、Web ビューアを使用します。Web ビューアはレイアウトオブジェクトであり、データベース内のデータに基づき Web サイトからの情報を表示できます。たとえば、Web ビューアでは、データベースの市区町村と住所フィールドの情報に基づいて、地図サイトの URL を計算できます。データベース内の各レコードを参照する際、Web ビューアに現在のレコードで指定されている場所の地図が表示されます。

Web ビューアはオペレーティングシステムの Web ブラウザ技術を使用しているので、Web ブラウザで使用できるのと同じタスクの多くを Web ビューアで行うことができます。リンクをクリックして、Web ビューアが元々ロードされていたページ以外のページに移動することができます。Web ビューアでは Web サイトの内容を表示することもできます。表示できる内容には、PDF 文書やビデオなどがありますが、表示するには各ソフトウェアをインストールする必要があります。URL エンコードも制御できます。

Web ビューアの作成を容易にするために、FileMaker Pro にはさまざまなデータ駆動型の Web サイトのテンプレートが含まれています。これらのテンプレートのいずれかを使用すると、Web サイトで使用されている引数を指定するだけで済みます。

計算式を定義して、任意の Web サイトのカスタム Web アドレスを作成することもできます。FileMaker Pro によりその式が評価されて URL が作成されます。Web ビューアはこの URL を使用して Web ページを表示します。またはカスタム Web アドレスとして HTML、CSS、および JavaScript を Web ビューアに渡す、データ URL を使用することもできます (Web ビューアで JavaScript を使用したスクリプト作成を参照してください)。

Web ビューアを追加または変更するには:

  1. レイアウトモードに切り替えて、レイアウトポップアップメニューからフィールドを追加するレイアウトを選択します。

  2. ステータスツールバーの Web ビューアツール Web ビューアツール をクリックし、レイアウト上で十字線をドラッグして、Web ビューアを描画します。

    Web ビューアを変更するには、レイアウト上の Web ビューアをダブルクリックします。手順 4 に進みます。

  3. [Web サイトの選択] の一覧で Web サイトを選択します。

    カスタム Web アドレスを定義するには、一覧で [カスタム Web アドレス] を選択します。[Web アドレス] ボックスの横の [指定...] をクリックし、Web アドレスの計算式を定義して [OK] をクリックします。(式と関数の使い方を参照。) 手順 5 に進みます。

  4. 使用する Web サイト引数に対して、次の操作を行います:

  5. 目的

    操作

    引数を含むフィールドを追加または変更する

    矢印ボタン をクリックして、[フィールド名の指定...] を選択します。フィールドを選択して [OK] をクリックします。または Web サイトの引数ボックスに直接入力します。

    引数を生成する計算式を追加または変更する

    矢印ボタン をクリックして、[計算式の指定...] を選択します。計算式を作成または変更して [OK] をクリックします。

    定数を指定する

    クォーテーションマークで囲んで定数を入力します。定数とフィールドの両方を含む引数を指定するには、計算式を定義します。

    Web サイト引数に使用されるフィールドまたは計算式を取り除く

    [Web アドレス] ボックスで、項目を選択して、Backspace キーまたは Delete キーを押します。

  6. 進行状況バーやエラーメッセージの表示、セキュリティ状態などの Web ビューアのオプションを選択します。

    [検索モードで内容を表示] では、ユーザがフィールドに値を入力して、フィールドから移動すると、フィールドに基づく Web アドレスの場合は Web ビューアで URL が再度計算され Web ページが再ロードされます。

    [URL を自動的にエンコード] では、必要に応じてブラウザの要求書式に準拠するようにエンコーディングルールが Web ビューアによって URL に適用されます。Web ビューア内での URL エンコーディングを参照してください。

    [JavaScript による FileMaker スクリプトの実行を許可] では、Web ビューアで実行される JavaScript から FileMaker スクリプトを実行できます。Web ビューアで JavaScript を使用したスクリプト作成を参照してください。

メモ 

  • Web ビューアはフォーム形式およびリスト形式の場合に Web ページを表示します。表形式の場合、Web ビューアはレイアウトのヘッダパート、フッタパート、または上部または下部ナビゲーションパートにある場合にのみ Web ページを表示します。

  • Web ビューアはポータルには配置できません。Web ビューアをポータルに配置すると、ポータルに重なるレイアウト上のオブジェクトとして Web ビューアが表示されます。Web ビューアはポータル内のポップオーバーに配置できますが、Web ビューアのコンテキストはポータルの現在のレコードではなくポータルの最初のレコードのコンテキストになります。

  • Web ビューアの前後にオブジェクトを配置することはできません。Web ビューアは、レイアウトモードで設定した重なり順における、ブラウズモード、検索モード、およびプレビューモードでは表示されないことがあります。

  • HTML データは、データを URL に組み込むことで、Web ビューアに送信できます。Web ビューアの設定スクリプトステップを参照してください。

  • カスタム Web アドレスを基に計算された URL を表示するには、レイアウトモードで [表示] メニュー > [オブジェクト] > [サンプルデータ] を選択します。

  • カスタム Web アドレスでは次の点を確認する必要があります:

    • 先頭のスキームが正しい: 例: 「http://」、「https://」、「ftp://」、または「file://」

    • [URL を自動的にエンコード] を選択して URL として正しくエンコードされている