正しいハードウェアの選択
サーバー用のハードウェアを選択する前に、サーバーにアクセスするユーザの人数を考慮してください。多数のユーザがデータベースにアクセスする場合、ハードドライブおよびプロセッサの使用率はきわめて高くなることが予測されます。多量のデータにアクセスするデータベースサーバーにはより多くのリソースが必要となるため正しい準備が必要です。
ハードウェアを選択するときは、次の主要分野を考慮してください:
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ディスクサブシステム: ディスクサブシステムは、統合集約されたディスクドライブを備えるディスクストレージの種類です。データベースに格納されたデータの読み取り/書き込みを行うのがこのサブシステムであるため、FileMaker Server 用のハードウェアの購入で考慮するべき最も重要な要素です。データの読み取り/書き込みを効率的に実行できる高速で最適化されたディスクサブシステムの存在は、データベースの性能に大きな影響を与えます。選択したドライブのタイプにかかわらず、共有データベース用にサブシステムが RAID (Redundant Array of Inexpensive Disk) または信頼できる SAN (Storage Area Network) をサポートするように構成します。
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プロセッサ: FileMaker Server では、情報の検索、未保存の計算式の評価、リレーションシップの解決など、多数のプロセッサ負荷処理を取り扱うため、ディスクサブシステムと同様にプロセッサの選択も重要です。FileMaker Server では複数のプロセッサを利用できるという利点があるため、特定のデータベースタスクを異なるプロセッサで処理することができます。
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ネットワーク: ネットワークスループットは、システム上のさまざまなツールを使用して計測することができます。ネットワークスループットの質はいくつかの要因によって異なります。その要因には、設置された NIC (ネットワークインターフェースカード)、およびネットワークの物理的インフラストラクチャなどがあります。ネットワークインフラストラクチャは自分で変更できない場合もありますが、ネットワーク構成、トラフィック、ルーティングによっては問題が発生します。ユーザは、LAN または WAN 接続によってデータベースに接続し作業することができます。FileMaker Server で共有されているデータベースにインターネットまたは WAN で接続するには、TCP 用にいくつかのポートを開く必要があります。
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メモリ: データベースが使用するメモリの量は、データベースのサイズ、データベースのタイプ、ユーザの数、データベースの複雑性によって異なります。これらの要素はそれぞれ多くのメモリを必要とします。FileMaker Server におけるもう 1 つの重要な要素はキャッシュです。
許可される最大データベース RAM キャッシュサイズは、次の 2 つの計算式の小さい方の正数です:
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物理 RAM サイズ - 1024 MB (1 GB)
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物理 RAM サイズの 90%
1 台のマシンの展開で Web 公開を有効にした場合、データベースキャッシュを最大サイズの 50% を超えないように構成します。
データベースキャッシュのサイズを指定するには、CLI コマンド
set serverconfig cachesize
を使用します。たとえば、キャッシュサイズを 1024 MB に設定するには、コマンドfmsadmin set serverconfig cachesize=1024
を使用します。「CLI ヘルプ」を参照してください。 -
メモ 展開中に、FileMaker Server は物理 RAM サイズに基づいてメモリの使用を構成します。RAM を追加または取り除く場合は、FileMaker Server がコンポーネントに最適なメモリの使用を再計算できるように、CLI コマンドを使用してキャッシュサイズを手動で変更するか、FileMaker Server を再インストールする必要があります。
仮想サーバー
仮想化により、独立した仮想環境にサーバーを分割するソフトウェアアプリケーションを使用できるため、オペレーティングシステム、およびその特定のアプリケーションまたはサービスの複数のインスタンスを実行することが可能になります。一部の IT 部署では、コスト削減およびハードウェアの性能をフルに活用する方法として仮想化を使用しています。
FileMaker Server は仮想マシンでの実行をテスト済みです。FileMaker Server を仮想環境で使用する場合、物理的ハードウェアにかかる負荷についてマシンを監視する必要があります。