Claris FileMaker Cloud 2.19.1.2 リリースノート
2020 年 10 月 (2020 年 11 月更新)
このドキュメントには Claris® FileMaker Cloud® 2.19.1.2 に関する情報が記載されています。詳細については、プロダクトドキュメンテーションセンターを参照するか、Web サイトのサポートリソースをご覧ください。
FileMaker Cloud 2.19.0 リリースノート
ソフトウェア詳細
機能強化および互換性
- FileMaker Cloud 2.19.1.2 は Claris FileMaker® 18 および 19 プラットフォームのクライアントと互換性があります。
- Microsoft Azure Active Directory (Azure AD) を使用して FileMaker Cloud ユーザを認証できるようになりました。
パフォーマンス、安定性、および信頼性の向上
- ページレベルロックなしでの安定性および信頼性: 特定の環境下では、PLL (ページレベルロック) によって安定性および信頼性の問題が発生する可能性があります。PLL と起動復元機能は連動しているため、起動復元の設定で PLL も制御します。安定性および信頼性向上のため、PLL および起動復元は無効になり、Claris FileMaker Admin API による起動復元の設定または設定の確認はできなくなりました。
複数の業界標準および内部の開発ツールを使用して徹底したストレステストを行った後、PLL を使用する場合と同等またはそれ以上のパフォーマンスを得られる並列索引検索、ホスト上でのソート、およびその他の最適化とともにデータベース構造への低レベルアクセスに対する共有ロックを使用することを決定しました。
- データベース構造への低レベルアクセスに対する共有ロックの使用: 前述のとおり、FileMaker Server 2.19.1.2 では PLL の代わりに共有ロックを使用してデータベース構造への低レベルアクセスを管理するようになりました。PLL が導入される前は、データベースエンジンがミューテックス (相互排他オブジェクト) を使用してアクセスを管理し、データベース構造に対して読み/書きできるのは同時に 1 つのスレッドのみでした。共有ロックを使用すると (システムリソースが許す限り) 同時読み取りアクセスができますが、書き込みアクセスには排他ロックが必要です。データベース構造へのアクセスの大部分は読み取り処理であるため、共有ロックの使用により同じデータベースに同時接続するユーザのパフォーマンスが向上します。
- 並列索引検索処理: 共有ロックを使用して同時読み取りアクセスができるため、バージョン 2.19.1.2 では索引が設定されたフィールドで平行して検索処理を実行できるようになりました。以前は、索引が設定されたフィールドの処理は同時に 1 つしか実行できませんでした。
- ホスト上でのレコードのソート: 過去のバージョンでは、ソートを実行する際は常に FileMaker Cloud により FileMaker クライアント (Claris FileMaker Pro™ および Claris FileMaker Go®) にレコードが転送されていました。バージョン 19.1.2 以降の FileMaker クライアントおよびバージョン 2.19.1.2 以降の FileMaker Cloud では、ビジー状態でなければ FileMaker Cloud でソートを実行し、それ以外ではクライアントでソートを実行します。
- 索引設定中のメモリベースのキーの比較: リレーションシップの照合フィールドとして使用される複数の値 (各値は改行によって区切ります) を含むテキストフィールドをマルチキーフィールドと呼びます。FileMaker のデータベースエンジンでは、マルチキーフィールドを照合フィールドとして使用するリレーションシップを解決できます。2.19.1.2 より前のバージョンでは、データベースエンジンによりマルチキーフィールドが解析され、索引を設定できるキーのそれぞれが一時ファイルに保存されます。マルチキーテキストフィールドの索引設定を改良するため、バージョン 2.19.1.2 ではより効率的な方法として、キーをメモリに保存してメモリ内でキーの比較を実行するようになりました。
索引設定中のメモリベースのキーの比較は FileMaker Cloud、Claris FileMaker Server™ および FileMaker Pro でサポートされますが FileMaker Go ではサポートされません。
FileMaker Cloud バージョン情報
- Get (ホストアプリケーションバージョン) 関数は
Cloud Server 2.19.1.xxxを返します。xxx はビルド番号です。たとえば、ビルド番号が 211 の場合に返される値はCloud Server 2.19.1.211です。 - FileMaker Cloud Admin Console は FileMaker Cloud のバージョンを 2.19.1.xxx として表示します。xxx はビルド番号です。
修正された問題
次の問題に対応しました。
- 拡張子 .fmp12 を除いた部分のファイル名が 13 文字の場合にユーザがそのファイルをダウンロードできない。
- 2020 年 11 月: Claris ID にサインインしてから 1 時間経過した後に API リクエストを送信すると Claris FileMaker Data API がエラーメッセージを返す。
- 2020 年 11 月: Claris FileMaker WebDirect™ で FileMaker.PerformScriptWithOption JavaScript 関数がサポートされていない。Web ビューアの JavaScript でこの関数を呼び出して FileMaker スクリプトを実行してから現在実行中の FileMaker スクリプトを処理する方法を設定する新しいオプション引数を渡せるようになりました。「新しいスクリプトを開始するときの現在のスクリプトの処理オプション」を参照してください。
- 2020 年 11 月: FileMaker WebDirect で、ファイルのダウンロードの通知ダイアログボックスに禁則処理が適用されていない。
- 2020 年 11 月: Microsoft Edge で FileMaker WebDirect のボタンが一部表示されない。
今後廃止予定の API、技術、または機能
FileMaker Cloud の進化に伴って、サポートされる技術、API、および機能の一覧に変更が生じる場合があります。この進化の一環として、特定のオペレーティングシステムのバージョン、ハードウェア、および機能が廃止になる場合があります。廃止予定になっても項目がすぐに削除されるわけではありませんが、廃止予定の技術は製品の今後のバージョンで取り除かれる可能性があるため、これらの技術からソリューションを移行する必要があります。
廃止予定の API、技術、および機能の最新情報については、ナレッジベースを参照してください。